患者さんの声

第2話: 先天性股関節脱臼であきらめていた夢が、手術によって実現 
(59歳、女性)


平成某年某月某日、54歳のとき、帝京病院で「手術終わりましたよ!大成功でしたよ!」という先生の声で目が覚めました。その日からわたしの第二の人生が始まりました。

先天性の股関節脱臼で小学校に上がる前にギプスをつけていたことも、わたしの遠い記憶の中にあります。学生時代はバレーボールやスキーをすることが大好きでしたが、長く動いていると足が疲れ、思うように動かなくなり、だんだんと左足をひきずって歩くようになっていきました。

28歳のとき、ある方の勧めで、藤沢の方の病院で股関節の手術(外反骨切り術)をしたのですが、すぐに痛みが出てしまいました。その後子供を授かったのですが、子育てをしながら痛みとずっとつき合ってきました。病院にいっても痛み止めの薬を処方してもらう以外方法がなく、整体やマッサージにいって痛みを和らげていました。足の長さも骨盤の高さも、誰がみてもわかる位に体がゆがんでいて、左足の靴に3cmくらいのソールをつけ右足一本で歩いている状態でした。

もう二度と手術はしないと自分で決めつけていましたが、その大切な右足の膝をいため、このままでは動けなくなってしまうという不安で、初めて手術をしようと考えを改めました。何軒かの病院で相談したのですが、あまりにひどいので手術は無理です、と断られてしまいました。
最後に帝京病院の中村先生に「だいじょうぶ、手術はできますよ」といわれた時のうれしかったこと、今でもはっきりと覚えています。「ただ、あなたの股関節の手術は日本でも数例しかないのでじっくり検討してからにしましょう」と、先生がたも慎重に準備してくださいました。それが今から5年前のことです。

そして、5年前には考えもしなかったことが、いまでは普通にできます。以前は、足が良くなったらブーツを履きたい、ジーパンを真っすぐな足で履きたい、海外旅行も楽しみたい・・・という夢を持っていました。現在すべて叶いました。

昨年はデパートの店員として3ヶ月半くらい働きました。1日10時間近くの立ち仕事でしたので、将来の足のことを考え、リタイアしました。3ヶ月半という短い期間でしたが、以前のわたしからは10時間もの立ち仕事が出来たということは、考えられないことです。今はエステ関連の仕事をしており、忙しく動き回っています。

本当に手術をしてよかったと心から思っています。帝京の中村先生のほか、病院の皆様にはとても感謝しています。 今、わたしは痛みのない第二の人生を歩いています。

本当にありがとうございました。