研究計画の公開

課題名:3次元テンプレートによる人工股関節ステム前捻角の予測

研究の意義(背景)と目的

  • セメントレス人工股関節全置換術では、ステムの前捻角は大腿骨の形状によって制限を受ける。Combined anteversion(カップ前方開角とステム前捻角の和)を一定の範囲内にするためには、術前計画でステム前捻角を予測しカップを先に設置する、あるいは術中にステム前捻角を計測しカップを後で設置する、のふたつの方法がある。この研究の目的は、ステム前捻角計測の正確度および精度を、3次元テンプレート(ZedHip)による術前計画と角度計による術中計測との間で比較検討することである。この研究結果は、セメントレス人工股関節全置換術における術前計画および再現性のある手術手技の向上に有用な情報となる。

研究の方法

  • A retrospective case study(過去に手術を受けた症例を対象とした後ろ向き観察研究)
  • 対象:2012年10月〜2014年4月の間に当科でセメントレス人工股関節全置換術を受けた全123股から、後述の31股を除外した92股を対象とする。除外したのは、術中ステム前捻角計測記録のない20股、およびmodular stemを使用した11股である。
  • 新たな介入はない。
  • 調査項目:術前股関節CTを基に3次元テンプレート(ZedHip)を用いてステム前捻角を予測した値をAとする。術中に下腿軸を基準にして角度計を用いてステム前捻角を測定した値をBとする。術後1週で撮像した股関節CTを基に画像計測ソフトでステム前捻角を計測し基準値とする。
  • エンドポイント:Aの誤差(A-基準値)とBの誤差(B-基準値)を主要評価項目とする。
  • 解析方法:正確度はそれぞれの誤差に対する1標本のt検定で評価し、精度はF検定で評価する。

目標症例数

  • 本研究は後ろ向き観察研究であり、目標症例数は算定しない。

研究組織(○実施責任者 ◎個人情報に係るデータ管理責任者)

  • 玉山倍碩(整形外科、修練医)、西野華恵(整形外科、大学院生)、○◎中村茂(整形外科、教授)、中村正樹(整形外科、講師)、松下隆(整形外科、主任教授)

研究(試験実施)期間

  • 倫理委員会承認(平成26年5月29日)から平成27年6月30日までとする。

研究における倫理的配慮

  • 本試験は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則および臨床研究に関する倫理指針に従い、本計画書を遵守して実施する。

問い合わせ・苦情等に対する連絡先

  • 整形外科医局秘書を介して下記研究責任者(中村茂)へ電話で連絡する。

    〒173-8606 東京都板橋区加賀2-11-1 帝京大学整形外科 中村茂
    窓口:整形外科医局秘書(電話 03-3964-4097)