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研修医と学生の皆様

各専門診の紹介


足の外科診

スタッフ

高尾 昌人 (教授)
印南 健 (講師)
宮本 亘
小松 史
笹原 潤
安井 洋一
松井 健太郎

足の外科診概要

人類学的にみたヒトの特徴は,1.脳の発達,2.手が器用に使える,そして3.直立2足歩行,であると言われています。そして,われわれの祖先はまず直立2足歩行を獲得し,前足が自由になったことにより手を器用に使えるようになり,その結果として脳が発達したと考えられています。即ち,ヒトにとって2本足で歩くというのは必要不可欠な機能であるといえます。足は歩行に際して地面に接しその反力を体幹に伝えるという重要な機能を有する器官です。従って,足部・足関節の異常はただちに歩様に影響を及ぼし,日常生活も障害されます。一方,明治の初めに日本に西洋靴が導入されて以降,靴による足の障害は年々増加してきており,さらに,近年のスポーツ愛好者の増加から,足部・足関節のスポーツ傷害も増加してきています。

足の外科診の目的は,足部・足関節疾患・外傷の病態を解明し,適切な治療を行う点にあります。対象となるのは以下のような疾患です。

  1. スポーツ等にともなう足部・足関節傷害

    これには,1回の負荷によって生じた外傷と,繰り返される負荷によって生じた障害が含まれます。明確に分けることはできませんが,前者の例としては,足関節靱帯損傷,足関節果部骨折,足関節関節内骨折,アキレス腱断裂,腓骨筋腱脱臼があげられ,後者の例としては,関節軟骨損傷,骨棘障害,過剰骨障害(有痛性三角骨,外脛骨),種子骨障害,疲労骨折があげられます。特にスポーツ傷害の治療では,後述する足関節鏡を積極的に用いることにより,早期に確実にスポーツの現場に復帰することを可能としています。

  2. 靴の障害や外傷後に生じる後天的足部・足関節の障害

    これには,外反母趾や扁平足(後脛骨筋腱機能不全症),変形性足関節症,Morton病があげられます。外反母趾や後脛骨筋腱機能不全症といった変形は,骨性のアラインメント,腱による動的な制動,靱帯による静的な制動のいずれか,または全てが破綻して発症します。われわれは,基本的に破綻した機能を全て再建する方針で治療を行っています。また,進行した変形性関節症に対しては関節鏡視下固定術を行っており,約5mmの傷を4カ所作るのみの低侵襲手術であり,術後の痛みもほとんど無く良好な骨癒合と臨床成績をあげています。

  3. 基礎疾患に伴う足部・足関節の障害

    これにはリウマチ性関節症,リウマチ性足部変形や片麻痺や総腓骨神経障害による尖足変形があげられます。リウマチに伴う足部障害に対しては,当科リウマチ診と協力して,できるだけ患者さんの侵襲が少ない治療法を選択しています。また,尖足変形に対しては,残存している機能腱をバランス良く配置する腱移行術を行い,足部・足関節の機能をできるだけ再建するように治療方針をたてています。

  4. 先天性足部・足関節の障害

    これには,先天性内反足,小児扁平足,Kehler病,Freiberg病,足根骨癒合症があげられます。先天性内反足ではPonseti法による保存療法を行っています。進行期のFreiberg病や足根骨癒合症は従来難治性と言われていた疾患ですが,当科では,自家骨軟骨柱移植術や有茎脂肪弁移植といった独自に開発した術式を用いることにより,良好な治療成績を上げています。


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[ 足関節鏡視下手術 ]

帝京大学足の外科診の特徴としては,足関節鏡を診断・治療に積極的に応用していることがあげられます。これまで約2000例の足関節鏡視下手術を行っており,国内はもとより,世界的にも屈指の症例数を誇っています。関節鏡の利点は小さな皮膚切開で直視下に病変を診断できるとともに,関節を展開することなく低侵襲手術を行うことができる点にあります。その結果,患者さんの術後の疼痛は少なく,術後早期に社会復帰することが可能となります。現時点で対象としている疾患は,足関節靱帯損傷,軟骨損傷,骨棘障害,足関節捻挫後遺残疼痛,有痛性三角骨,Freiberg病,リウマチ性足関節障害,変形性足関節症,といった疾患です。

また,医療材料の開発や臨床研究を行い,国内外の学会に積極的に発表するとともに,多くの論文を投稿しています。若い先生にも最低でも年に2回は国内の学会に,1回は海外の学会に参加してもらっています。また,アメリカ,スイス,オランダ等の世界的にも優れた足の外科の業績をあげている大学や病院と連携をとっており,やる気のある若い先生ならばいつでも臨床留学できる体制を整えています。こうした活動は,現状の医療レベルに甘んじることなく,さらなる発展を目指して研鑽を積んでいくという,松下 隆教授の志によるものです。医療を取り巻く厳しい現状をものともせず,松下教授以下,高いモチベーションを持って精力的に臨床,研究に励んでいます。


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[ 足関節鏡所見(異常像)]


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[ 足関節鏡所見(正常像)]


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