肩関節診は本学整形外科学講座において1997年に開設された専門診で、開設当初から長年培ってきた技術・知見を継承し、日々臨床や研究に注力しています。
臨床では各スタッフの専門外来において、X線やMRIだけでなく超音波画像診断装置を用いた診断や注射療法など様々なアプローチをおこない、複雑な肩関節疾患の原因を突き止め患者さんの抱える症状、悩みを解決できるよう診療にあたっています。また、毎週金曜日を手術日とし、保存治療で解決しない症例に対しては侵襲が少なく早期の社会復帰・スポーツ復帰が期待できる関節鏡視下手術や人工関節置換術をおこなっています。
研究では、手術手技の開発、画像解析といった臨床に則した研究や、医療DX時代に求められているVRを活用した研究、本学スポーツ医学センターと協力した投球動作解析研究などを遂行しています。
塚田 圭輔(助手)
米澤 圭祐(助手)
坪田 恭典(吉川中央総合病院)
萩原 卓馬(嶋崎病院)
第1・3週木曜日 午後
毎週木曜日 午後
毎週金曜日
肩関節障害の多くは保存的治療の効果が期待できます。薬物治療をはじめ、超音波画像診断装置を用いた注射療法、徒手療法、理学療法によって疼痛や機能障害を解決できる症例が多くあります。患者さんの症状に対して最適な治療の選択肢をご提案できるよう心がけています。
保存治療に抵抗性の症例や繰り返す脱臼などに対しては低侵襲な関節鏡視下手術や人工関節置換手術をおこないます。
肩関節鏡視下手術の実際
反復性肩関節脱臼に対するバンカート修復術
腱板損傷に対する関節鏡視下腱板修復術
人工関節置換手術では、近年広まっているリバース型人工肩関節全置換術において、より低侵襲でかつ術後機能の向上を目的とした術式を採用しています。一般的には一度切離して手術をおこなうことが多い肩甲下筋腱を温存して手術をおこなうことで、結滞動作に関わる内旋可動域の向上が期待できます。
リバース型人工肩関節前置換術
帝京大学スポーツ医科学センターのスタッフと共同でおこなう投球動作解析研究の風景