帝京大学医学部整形外科学講座のスポーツ診は1985年7月に開設され,スポーツ整形外科としてとても長い歴史を持っています。渡會公治先生と竹田秀明先生が中心となって,関節鏡を用いた手術治療だけでなく,投球障害に対する運動処方(正しい体の使い方やフォームチェックの指導)など保存治療も積極的に行ってきました。現在もその理念を継承し,超音波ガイド下注射など保存治療を大事にしたスポーツ診療を行っています。
また2011年には八王子キャンパスにスポーツ医科学センターが設立され,帝京大学のラグビー部や駅伝競走部をはじめとした強化クラブやFC東京など,トップアスリートに対するメディカルサポートを行っています。さらに2017年には医学部附属病院でスポーツ外傷・関節鏡センターを標榜し,膝関節・肩関節・足の外科・脊椎の各スペシャリストが,最先端の医療技術と医療器具を用いて,関節鏡手術をはじめとした極めて専門性が高い治療を日々行っております。これらの組織が密に連携して,スポーツ傷害の診断から治療,競技復帰まで最高水準の医療サポートを提供しています。
2017年4月から医学部附属病院でスポーツ外傷・関節鏡センターを標榜しました。膝関節・肩関節・足の外科・脊椎の各スペシャリストが,最先端の医療技術と医療器具を用いて,関節鏡手術をはじめとした極めて専門性が高い治療を日々行っております。スポーツ傷害でお困りの患者さんはレベルに関係なくぜひご相談ください。
詳細は以下のリンクをご参照ください。
2011年4月八王子キャンパスにスポーツ医科学センターが設立され,帝京大学のラグビー部や駅伝競走部をはじめとした強化クラブやFC東京など,トップアスリートに対するメディカルサポートを行っております。スポーツ医科学センターには,我々整形外科医のほかアスレティックトレーナーやストレングスコーチ,管理栄養士,リサーチャー,システムエンジニア,企画担当,そのほか強化指定運動部(ラグビー,駅伝,チアリーディング)の監督も所属し,各専門家が密に連携してアスリートのトータルサポートを行っています。
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病院での診療だけではなく,ポータブルエコー持参でスポーツ現場での医療提供も積極的に行っています。
笹原 潤(医療技術学部 准教授)
スポーツ診では,渡會先生,竹田先生たちの理念を継承して運動処方など保存治療を中心として,選手個々の状況や目標に応じたオーダーメイドの診療を心がけています。また手術が必要なケースでは,スポーツ外傷・関節鏡センターと連携の上,関節鏡手術をはじめとした専門性が高い手術治療を提供しています。
スポーツ診外来の特徴として,超音波診療があげられます。
スポーツ傷害の診療において,適切な画像診断を行うことは大切です。単純X線(レントゲン)やCT,MRIは全て静止画による画像診断ですが,超音波検査は「動き」の中で診断することが可能です。またMRIは通常予約制の検査ですが,超音波検査は受診時に診察室でリアルタイムに行うことが可能です。
超音波検査は,1980年代から整形外科診療で用いられていましたが,広く普及してきませんでした。その理由は,以前の超音波検査の画像はとても粗く,見るに耐えない解像度だったからです。しかし,近年の高周波リニアプローブの開発や画像構築技術の進歩によって,超音波検査の画像描出能力は飛躍的な進歩を遂げました。現在の超音波検査は,レントゲンでは直接見ることが出来ない靱帯や腱の損傷部位を鮮明に描出することが可能となりました。また,足関節周囲には多くの腱や靭帯があります。これらの傷害をレントゲンで適確に診断することは困難であるため,「靱帯損傷」が「足関節捻挫」と診断され,軽症に扱われていることがしばしばあります。しかし,超音波を用いて診療を行うと,レントゲンでは診断できない靭帯や腱の傷害を,適確に診断することができます。またレントゲンでは骨折がはっきりしない場合でも,超音波検査によって骨折が判明することも多々あります。
超音波が有用なのは診断においてだけではありません。超音波画像を見ながら注射を行うことで,神経や血管をよけて,安全かつ正確に標的組織へ注射を行うことができます。超音波を活用することにより,診断から治療までスピーディに行うことが可能です。
足関節外側靱帯(正常例)の超音波画像