研修医と学生の皆様

腫瘍診

スタッフの写真

スタッフ

河野 博隆(科長、主任教授)
今西 淳悟(准教授、腫瘍診チーフ)
佐藤 健二(講師)
平畑 昌宏(助教、脊椎診と兼任)
松山 太祐(助手)
阿部 哲士(客員教授)

腫瘍診では、骨や筋肉といった運動器に発生した腫瘍(骨・軟部腫瘍)の診療と、脊椎診や外傷センターと協力して骨転移の診療、がん患者が抱える運動器管理に従事しています。「肉腫に限定せず幅広く対応する」というコンセプトのもとサルコーマセンターを標榜していませんが、形成外科や小児科、外科、内科、放射線科、病理診断科、泌尿器科などの他診療部門と連携して、骨・軟部腫瘍の診療と研究、社会活動をおこなっています。

診療体制

2025年6月時点で、火曜日午前、木曜日午前、金曜日午前・午後が外来診察可能日です。外来担当医の都合により診療できない日があります。

曜日 火曜日午前 木曜日午前 金曜日午前 金曜日午後
担当医 佐藤健二 今西淳悟 河野博隆
今西淳悟
佐藤健二
松山太祐
今西淳悟
佐藤健二
松山太祐

診療実績

2021年以降の手術症例数は以下の通りです。この症例数には、手術以外の治療をおこなった症例、他院で重粒子線治療をおこなった症例、脊椎診でおこなった脊椎転移の手術症例、手の外科診でおこなった手の腫瘍の手術症例は含まれていません。

  手術件数
(合計)
良性腫瘍手術件数(脂肪腫、神経鞘腫、腱滑膜巨細胞腫、線維性骨異形成症、孤立性骨のう腫など) 悪性腫瘍手術件数(腫瘍広範切除、切断など) 境界悪性腫瘍手術件数
(異型脂肪腫様腫瘍、孤在性線維性腫瘍、骨巨細胞腫、軟骨芽細胞腫など)
骨転移手術
(長管骨/骨盤転移のみ)
その他
(人工関節置換/再置換、生検など)
2021年 114 43 18 14 9 29
2022年 120 40 24 16 8 32
2023年 118 54 19 12 12 21
2024年 130 53 23 12 15 27

骨・軟部腫瘍の診療

骨や脂肪、筋肉、血管、神経などの軟部に発生した腫瘍を骨・軟部腫瘍といいます。骨や軟部から発生する悪性腫瘍(肉腫)は稀で多彩であるため、診断が困難な症例が少なくありません。帝京大学には、骨・軟部腫瘍を専門とする放射線診断医、病理診断医が在籍しています。整形外科、放射線科、病理診断科が連携して診療をおこなっています。

良性腫瘍は、痛みなどの症状や骨折、変形などに対して手術をおこないます。悪性腫瘍の場合は、腫瘍を正常組織ごと切除する広範切除が第一選択です。切除が不能あるいは非常に困難であり、粒子線治療が望ましい場合は、QST病院など他施設へ紹介します。

腫瘍切除にO-armを用いたナビゲーションシステムを使用したり、切除後の機能再建に液体窒素処理骨や同種骨、様々な人工関節を用いたりしています。

骨・軟部腫瘍の研究、社会活動

骨・軟部腫瘍は希少がんであることから標準的治療・新規の診断法・治療法の確立には多機関共同研究が重要です。帝京大学のスタッフは以下のグループや研究会、委員会に所属し、共同研究や社会活動に積極的に関わっています。

1) 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)

国立がん研究センター研究開発費研究班を中心とする共同研究グループで、国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門が研究を直接支援する研究班の集合体です。がんに対する標準治療の確立と進歩を目的として様々な多施設共同臨床研究を行っています。帝京大学は現在JCOG骨軟部腫瘍グループ協力施設として、以下の研究に協力しています。

JCOG0905
骨肉腫術後補助化学療法におけるIfosfamide 併用の効果に関するランダム化比較試験
JCOG1306
高悪性度非円形細胞肉腫に対するadriamycin, ifosfamideによる補助化学療法とgemcitabine,docetaxelによる補助化学療法とのランダム化第II/III相試験
JCOG1802
ドキソルビシン治療後の進行軟部肉腫に対する二次治療におけるトラベクテジン、エリブリン、パゾパニブのランダム化第II相試験

2) 骨軟部肉腫治療研究会(JMOG)別サイトへ移動します

帝京大学が研究会事務局を担当しています(https://www.jmog.website)。希少がんである骨・軟部肉腫と、近年整形外科医の積極的な関わりの重要性が高まっている骨転移について、多機関共同研究を行っています。毎年7月の日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会に合わせて総会を主催しています。

3) 骨軟部腫瘍ゲノムコンソーシアム(JSGC)

骨・軟部腫瘍におけるDNA、RNA、タンパク質や各種代謝物の質的、量的な変化について、包括的、網羅的な解析を東京大学医科学研究所を中心におこなっています。

4) 関東骨軟部腫瘍研究会

関東の骨軟部腫瘍専門の整形外科医、放射線診断医、病理診断医で症例検討を行っています。300回を数える伝統的な検討会で、東京科学大学・順天堂大学・東京大学・慶應義塾大学と共同主催しています。

5) がんロコモワーキンググループ

男性では3人に2人は、女性では2人に1人は生涯で一度はがんに罹患する時代を迎え、がん患者の運動器管理の重要性がっ非常に高まっています。日本整形外科学会の「ロコモチャレンジ!推進協議会」の中に設置された本グループでは、「がんロコモ」の啓発、実践、多職種連携の推進、情報発信に取り組んでいます。

6) 日本整形外傷学会病的骨折委員会

骨転移などによって骨が脆弱になり発生する「病的骨折」の診療に特化した委員会です。その主な役割は、治療方針に悩む複雑な症例に対し、専門家による相談窓口を提供することです。これにより、最新の「骨転移診療ガイドライン」に基づいた適切な治療の普及と質の向上を図り、患者さんのQOL維持・向上に貢献することを目指しています。

研究実績(2022年以降)

2022年

Kawano H, Hirahata M, Imanishi J. Locomotive syndrome in cancer patients: a new role of orthopaedic surgeons as a part of comprehensive cancer care. Int J Clin Oncol. 2022 Aug;27(8):1233-1237. doi: 10.1007/s10147-022-02194-w. Epub 2022 Jun 11. PMID: 35690700; PMCID: PMC9309135.

2023年

Hirahata M, Imanishi J, Fujinuma W, Abe S, Inui T, Ogata N, Iimuro S, Fujita R, Sato K, Tokizaki T, Matsuyama T, Kawano H. Cancer may accelerate locomotive syndrome and deteriorate quality of life: a single-centre cross-sectional study of locomotive syndrome in cancer patients. Int J Clin Oncol. 2023 Apr;28(4):603-609. doi: 10.1007/s10147-023-02312-2. Epub 2023 Feb 19. PMID: 36806698; PMCID: PMC9939082.

2024年

Watabe S, Kikuchi Y, Motoi T, Yamamoto A, Imanishi J, Tokizaki T, Sato K, Mukaiyama J, Minami S, Ishida T, Kawano H, Uozaki H. Cytopathology of chondromyxoid fibroma: Report of two cases with immunocytochemical expression of GRM1. Acta Cytol. 2024;68(1):66-72.

Hirasawa M, Kikuchi Y, Sato K, Yoshida A, Yamamoto A. FDG PET/CT and MRI Findings of Extraskeletal Myxoid Chondrosarcoma Showing a Nonmyxoid Cellular Variant. Clin Nucl Med. 2024 May 1;49(5):434-437.

Imanishi J, Yang R, Kawano H, Lee FY. Recent Advances in Minimally Invasive Local Cancer Control and Skeletal Stabilization of Periacetabular Osteolytic Metastases Under C-Arm Imaging Guidance. J Am Acad Orthop Surg. 2025 Feb 1;33(3):e136-e150. doi: 10.5435/JAAOS-D-24-00077. Epub 2024 Sep 27. PMID: 39448055.

2025年

Imanishi J, Morioka H, Hirahata M, Inui T, Shinoda Y, Takagi T, Sakai Y, Iwase S, Oshima K, Ogata N, Ohe T, Nakamura K, Kawano H. Institutional disparities in the treatment of bone metastases by orthopaedic surgeons at training facilities designated by the Japanese orthopaedic association-A nationwide survey. J Orthop Sci. 2025 May 3:S0949-2658(25)00123-X.

Imanishi J, Sato K, Kikuchi Y, Yamamoto A, Watabe S, Matsuyama T, Sato C, Kobayashi H, Kawano H. Update on the management of BCOR::CCNB3 sarcoma. Jpn J Clin Oncol. 2025 [accepted on 19 June 2025]

学会・研究会受賞:

2022年12月17日(東京)

第707回関東整形災害外科学会月例会優秀演題
宮崎玄基,佐藤健二,今西淳悟,松山太祐,新井規暁,日高亮,松田健太,時崎暢,渡部欣忍,中川匠,河野博隆
腫瘍用人工膝関節感染後の巨大な骨欠損に対して、圧迫骨接合型人工関節により救肢できた一例

2023年10月4-7日(台湾、台北)

The 14th Asia Pacific Musculoskeletal Tumor Society Meeting (APMSTS)
Best Flash Award
Yamamoto Oto; Imanishi Jungo; Masahiro Hirahata; Furuya Takeo; Sato Kenji; Kawano Hirotaka.
Ambulation ability can affect both physical and mental QOL of cancer patients with bone metastasis.

2024年10月24-26日(福岡)

第62回日本癌治療学会学術集会優秀演題
佐藤健二,今西淳悟,平畑昌宏,松山大祐,河野 博隆.
腰痛や関節痛を有する患者は、がん治療中にロコモティブシンドロームが進行する

2024年9月14日、2025年3月21-22日

第714回関東整形災害外科学会月例会優秀演題
第65回関東整形災害外科学会月例会最優秀演題
小林龍太郎,今西淳悟,佐藤健二,松山太祐,平畑昌宏,河野博隆.
寛骨臼転移に対する新規の集学的低侵襲手術の一例